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世界初、森永製菓との協同で重力を感じるAR商品を開発

法政大学 大学院
デザイン工学研究科 システムデザイン専攻1年(2016年現在)
山下 和樹さん

  • 2016年10月11日 掲載
  • 取組み
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対象物を特定のアプリケーションにかざすと、説明文が表示されたり平面画像(2D)が立体画像(3D)になってアニメーションとして動き出したりするなど、現実世界の画像に仮想的な情報が付加されるAR(Augmented Reality:拡張現実)技術。
世界で初めて重力を感じるARアプリを開発した岩月正見デザイン工学研究科教授研究室(SMD Lab:スマートマシンデザイン研究所)で、昨年10月下旬に森永製菓株式会社とのコラボレーション商品「チョコボールAR toyシリーズ」を開発したのが、大学院デザイン工学研究科修士課程1年の山下和樹さんです。

  • 山下和樹さん【写真左】
  • 学部時代に所属していたバンドサークルで、デザイン力の高さから仲間に依頼されて作成した大学祭用Tシャツデザイン【写真右】

重力を感じる新感覚ARコンテンツ 「チョコボールAR toyシリーズ」

「チョコボールAR toyシリーズ」(以下、キョロちゃんAR)は、専用のアプリケーション“キョロちゃんの遊べるAR”でチョコボールのパッケージを読み込むと、チョコボールの箱がおもちゃとなり、チョコボールのキャラクターであるキョロちゃんが動いて遊べる商品。4種類あるチョコボールそれぞれでスキーやスノーボードなど冬に相応しい設定が施されています。

「これまでのARは読み込んだ画像をアプリケーションの中だけで見て楽しむものでしたが、今回は実物の商品を道具として現実世界の動きを仮想世界へ影響させて遊べるのが最大の特徴です」

そこで用いられているのが、SMD Labが世界で初めて開発した「重力再現技術」です。捉えた空間を決まった形の図形(マーカー)として認識する画像処理において、従来はマーカーに追従していた重力を、独立し感知させる仕組み。この技術に、デザインやアプリケーションに精通している山下さんがアイデアを付加し商品化しました。

「何も手を加えなければキョロちゃんは直線上を左右に移動し、何か障害物に当たれば静止するだけ。それでは楽しくありません。傾けた角度にともなってさまざまな方向に転がせ、障害物に当たったら飛んだり跳ねたりと、丸型の姿であるキョロちゃんの特徴を生かすようにしました。
はじめはキョロちゃんが雪だるまを作るという想定も考えていましたが、技術面や消費者対象としている小学生にとっての操作性を考慮し見送りました。研究だけでは得られない経験ができました」

  • 森永製菓の方々とのミーティング(写真左)。昨年4月のビジネスコンテスト入賞以降、月に1回のミーティングを重ねてキョロちゃんARを形作っていった。写真手前は担当教員の岩月教授【写真左】
  • 「TekkyuAR」は2014年11月にNTTドコモによる支援の下、革新的な企業の取り組みが紹介される「ドコモ・ベンチャーズDay」に出展した【写真右】

可能性が広がるデザイン工学

今回の開発について「まさか商品化することになるとは思ってもいませんでした」と振り返る山下さん。「昨年2月にMorinagaアクセレーターというビジネスコンテストに応募し、4月の最終プレゼンテーションを経て、9月に企業以外で唯一入賞できましたが、その時点まで商品化の話はなかったからです。ただ、開発の時から手応えは感じていました」

自信のもとになったのが2014年、当時大学院デザイン工学研究科修士課程2年生だった橋本和哉さんを中心に、デザイン工学部4年生だった山下さん、同4年の渡邉清峻さんと3人で開発したARコンテンツ・キュービック型立体迷路ゲーム「TekkyuAR」の、ビジネスコンテスト「Docomo Developer Application Contest 2nd」での最優秀賞受賞です。

「各種メディアのほか海外でも取り上げられ、受賞後も主催者のNTTドコモから実用化へ向けた支援を受けて、Morinagaアクセレーターコンテストへの参加を後押ししていただきました」

デザインへの興味から本学デザイン工学部に入学し、学部生時代は所属サークルのグッズやパンフレット制作でデザイン力を生かしてきた山下さん。「アプリケーション開発、コンテスト出場と法政大学デザイン工学部で幅広く学び、岩月教授に出会えたことで、自分の可能性を広げることができました。今後も、多くの方に楽しんでもらえるモノを手掛けていけたらいいですね」


HOSEI ONLINE(http://www.yomiuri.co.jp/adv/hosei/)から転載

山下 和樹(やました かずき)さん

法政大学 大学院
デザイン工学研究科 システムデザイン専攻1年(2016年現在)


デザインへの興味から本学デザイン工学部に入学し、開発者になることを目標に大学院へ進学した山下さん。世界初となるARの重力再現技術を開発した岩月正見教授研究室で、さらなるデザインの可能性に向けて各種開発に取り組んでいます。

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