言語は世界を開く鍵。日本文学をウズベキスタンに広めたい

交換留学生 コシモワ グルノラホン さん
国際文化学部 国際文化学科3年(2015年現在)

  • 2016年10月11日 掲載
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  • 学生紹介

「言語は世界を開く鍵。その思いをスピーチに込めました」と、6月に本学で開催した第34回留学生スピーチコンテスト(※1)を振り返るのは、「言語のゴール」の題で最優秀賞を獲得したコシモワ グルノラホンさん。
ウズベキスタン・タシケント国立東洋学大学(以下、タシケント大)からの交換留学生として、昨年9月から本学で学んでいます。

※1 国際交流サークル・Hi-C Orange主催、本学グローバル教育センターと法政大学後援会後援で開かれるスピーチコンテスト。今年は5つの国と地域から10人の留学生が出場した。

  • 観光で訪れた鎌倉の江島神社にて。趣味であるカメラを通じて、見知らぬ人にも積極的に話し掛け、日本人との交流を楽しんでいる

文化・習慣に基づく“生きた言語”を学ぶために

NHK連続テレビ小説「おしん」がウズベキスタンで放送されていたことから、日本文化に興味を持ったグルノラホンさん。日本語コースのあるタシケント大に入学し、より深く学びたい、と留学を決めました。

「タシケント大が提携している日本の大学は他にもありましたが、留学するなら法政大学にしようと決めていました。日本に留学経験を持つ先輩方の中でも、法政に留学した方々がとりわけ優秀で、私も先輩方のように成長したいと思ったからです」

来日当初は『おしん』から抱いていたイメージと現代の日本とのギャップに多少驚きがあった、と苦笑いを浮かべるグルノラホンさん。勉強熱心な学生と共に学んでいく中で現代日本もすぐに好きになった、と言います。

「特に手応えを感じたのは、Discover Japan(※2)という留学生と日本人がグループになって与えられた課題を調査する授業です。課題を通じて日本を知ることができましたし、調査しプレゼンテーションするプログラムは研究力を養ってくれました。調査で日本のビジネスパーソンに直接インタビューしたことも、貴重な経験になりましたね」

この授業は、専門である日本語の考察もさらに深めてくれた、と言います。

「会話する中で相手との距離感がわかるようになりました。日本の文化・習慣に基づいた“生きた日本語”を肌でつかめるようになったからです。

言語は言葉が表す意味だけでなく、その時代背景や文化・社会も反映されています。特に日本語はウズベク語や英語と異なり、謙譲語や尊敬語のほかにウチとソトといった別もある。日本語の奥深さを知れば知るほど、ますます関心が強まっています」

  • スピーチコンテストにて、最優秀賞受賞の喜びを語るグルノラホンさん【写真左】
  • Discover Japanの合宿で訪れた富士浅間神社にて。前列右から2番目が本人【写真右】

※2 Discover Japanは交換留学生受入れプログラム(ESOP)の一つとして、交換留学生と本学学生が協働で日本社会文化を調査する過程で、互いの国や文化を理解し交流を深めることを目的とした授業。最終回は本学富士セミナーハウス(山梨県)で合宿をし、調査結果の発表と周辺各地のフィールドワークを行っている。

日本文学をウズベキスタンに

「ウズベク人の特徴は、すぐに人と仲良くなれること」と言って笑い、語学習得を兼ねて観光で訪れた場所でも面識のない日本人と積極的に交流してきたグルノラホンさん。来日中はここでしかできないことをしたい、とスピーチコンテストにも参加しました。

「言語はツールではなく世界を開く鍵である、というのが、私が来日後に改めて感じ、スピーチコンテストでも発表したことです。私の言う“世界”とは、雰囲気。会話なら相手とその時その場だけで作られる雰囲気、文学なら作品が醸し出す雰囲気まで感じられてこそ、見える世界があるからです。そのためには言語習得において文化や習慣も体得しなければならない難しさがありますが、留学し“世界”を感じられるようになったことは、人間としての成長も促してくれました」

8月の留学期間終了を控え、タシケント大を卒業したら大学院生として法政に戻ってきたい、と思いを新たにしています。

「将来、翻訳家になって夏目漱石の『吾輩は猫である』のような独創的な日本文学を、私なりに作家へ思いを寄せ、ウズベク語で紹介するのが私の夢です。作家の幸せは良い翻訳家を見つけること、と言われるほど重要な存在。文学分野で強みを持つ法政大学の大学院で、日本文学もしくは表現史の理解を深めたいと思っています」

帰国までの残りの日々、グルノラホンさんは図書館を利用し、さまざまな文学作品の原作に触れることも大切にしています。

関連リンク


HOSEI ONLINE(http://www.yomiuri.co.jp/adv/hosei/)から転載

コシモワ グルノラホン さん

交換留学生
国際文化学部 国際文化学科3年(2015年現在)


ウズベキスタン・タシケント国立東洋学大学からの交換留学生として、昨年9月から1年間本学に留学しているグルノラホンさん。最優秀賞を獲得した第34回留学生スピーチコンテストでは、言語はツールではなく世界を開く鍵、という思いを語った。

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