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【自由を生き抜く実践知大賞】教員部門優秀賞「陸前高田地域再生支援研究プロジェクト/ 現代福祉学部宮城孝教授」紹介

  • 2018年3月5日 掲載
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■ノミネート理由・活動概要

本プロジェクトは、2011年3月に発生した東日本大震災において、岩手県で最も甚大な被害(死者・行方不明者約1,800名)を受けた被災地をフィールドとし、被災住民自身が地域の再生、生活再建に向けてその課題を話し合い、主体的な取り組みを行うことを一貫して支援してきました。

これまでの活動として、①毎年夏に約50ヶ所の仮設住宅団地の自治会長への仮設住宅の暮らしの状況と課題に関するインタビュー調査(計7回実施)、②仮設住宅の全居住者(860世帯~2,100世帯)を対象とした暮らしに関するアンケート調査(2回実施)を実施し、その結果を広く地元の関係者にフィードバックしています。さらに、③市内の広田町、気仙町長部地区、米崎町、高田町などにおいて、防災集団移転事業協議会の組織化支援や住民が主体となった復興まちづくりのためのワークショップなどを実施しています。これらの地区の中には、陸前高田市において復興まちづくりの先導的な地区となったところもあります。

 これらのフィールワークにおいて、学生が重要な役割を果たしており、教育的にも大きな成果を得るとともに、毎年継続的に実施していることによって、同被災地の多くの関係者の信頼を得ています。また、同プロジェクトは、これまで明治大学、中央大学、東京大学、東北大学、工学院大学などの教員、学生、また実務家との協働により実施しており、領域として、社会福祉、都市計画・建築、社会学、行政学、公衆衛生、臨床心理などの研究者・実務家が相互補完的に役割を果たしています。このような多分野による被災地への協働的な取り組みは他には見当たらず、今後の災害の復興支援のあり方における学術的、社会的な意義は、非常に大きいと考えられます。

【参考】陸前高田地域再生支援研究プロジェクト

http://rikuzentakatapj.jimdo.com 

■総長からの選定理由コメント

宮城先生を中心としたこの研究プロジェクトは、東日本大震災以後、被災地をフィールドとして、長期間継続的に広範囲にわたってインタビューやアンケート調査を実施してこられ、その研究結果を地元にフィードバックしています。また,フィードバックを受けた地域において、それらの研究の成果が役に立っていることが推察できます。東日本大震災の経験を忘れず、受け止め続け、今後起こり得る災害を乗り越えることに貢献する可能性もあり、教員部門の優秀賞に選定されました。

■受賞者からの感想

この度、栄えある第1回「自由を生き抜く実践知大賞」優秀賞を受賞しましたことに、何よりこれまで調査等に協力していただいた陸前高田市の被災者の皆様に心から感謝申し上げます。大変なご労苦の中、学生への温かいお言葉に、むしろ何度励まされたことでしょうか。また、本プロジェクトに参加して下さった本学の大学院・学部のゼミ生、明治大学を始めとする教員・学生など関係者の皆様に感謝の意を表します。この7年間で200名を超すメンバーが、本プロジェクトに参加し、多くのことを学ぶことができたかと思います。

本賞の主旨として、「真に自由な思考と行動を貫く姿勢と、社会の課題と向き合う倫理観および、課題を解決する道を探求する知性」とありますが、まさに私達のこれまでの歩みは、厳しい被災地の環境の中で、自らのAcademic Identity のあり方を問う道程であったかと思います。この場をお借りして、最後のお一人が仮設住宅から転居するまで見届けますことをお誓い申し上げます。                    

現代福祉学部 教授 宮城 孝                     陸前高田地域再生支援研究プロジェクト 研究代表

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