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【2018年度自由を生き抜く実践知大賞】持続可能な未来賞 グリーンヒル寺田団地での地域活性化のための連携活動 紹介

  • 2019年3月22日 掲載
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■ノミネート理由・活動概要
学生団体「@団地」と「カフェ部」は、多摩キャンパス近くにある団地・グリーンヒル寺田で、イベント開催やカフェ開催(居場所づくり)の活動を続け、地域コミュニティの形成や住民の活動の活発化に寄与する活動を続けている。グリーンヒル寺田は入居開始から40年近く経つ団地で、近年は住民の高齢化が進み(高齢化率40%超)、空き室や空き店舗が増え、団地中心の商店街広場も活気がなくなり、住民が交流し語らう場もないことが地域の課題となっていた。そうした団地で、危機感を持った住民有志やUR都市再生機構、八王子市、法政大学が関わって2014年から活性化の取り組みが始まりました。現在までの過程の中で、コミュニティスペースができるといった環境変化があり、住民の動きも変遷してきているが、2団体とも、その段階に応じて、学生だからこそ担える活動を考え、互いに連携もしつつ展開してきています。

【@団地】:活性化の始動期(2014~15年)においては、コミュニティスペースはできておらず、電気もない空き店舗を活用して住民の交流イベントを連続開催していました。世代を超えて人が集まり、つながりができる楽しさを創出し、地域のあり方を共に考えようと住民に呼びかけ始めました。住民の活性化グループとも連携して「七夕まつり」などのイベントを運営し、地域の担い手の支え役にもなるとともに、さまざまな立場の住民を仲介し、つなぐポジションにも立ち始めました。2016年に、UR、八王子市、法政大学の協力体制(連携協定)が整いコミュニティスペースができると、活動を展開する住民がいない空白を埋めるべく、シャッターを開けてイベント開催を続け、スペースの存在が住民に浸透するよう図った。壁塗りや棚づくりなどのスペースの物理的整備も、住民を巻き込んだDIY(日曜大工)イベントとして開催し、スペースのネーミング募集も実施して「住民みんなの場所」と認識してもらえるようにしました。並行して、住民たちの対話の場(ワークショップ)もつくり、将来の団地がどうなってほしいか、コミュニティスペースでどんな活動があったらよいかといった未来像を吸い上げ、「活性化」の方向性を住民と共有しました。こうした機運づくりから、2017年には住民ボランティアを募っての「住民カフェ」がスタートし、現在では週4日、カフェが開催されるまでになった。現在、@団地は、新しい地域活動の担い手の発掘や、若い子育て層の巻き込みを意識して、手作り品のマルシェや子ども向けイベントなどの開催に力を入れている。さらに、不定期のイベントだけでなく、毎月定期的にコミュニティスペースで住民と向き合う活動も開始し、住民との新たな関わりを模索しています。

【カフェ部】:2013年、社会学部矢部ゼミの活動としてグリーンヒル寺田で活動を始めた。地域サロンの運営経験がある住民に協力者になってもらい、サポートを受けて、集会所を会場に月1回ペースでハンドドリップのコーヒーを提供する「カフェ」を開催してきた。長く定期的に継続することで“常連客”もでき、メンバーが卒業して就職してからも時折活動に顔を出すといった深い関係が住民との間で形成され、後輩たちに受け継がれています。2016年にコミュニティスペースができると開催場所を集会所から移し、そのスタイルが翌年始まる「住民カフェ」の参考例ともなりました。「飲み物提供」という技は様々な催しと相性がよく、「@団地」や地域の行事とたびたびコラボレーションし、だれでも、特別な目的や理由がなくてもその場に共にいれられる場を可能にし、地域のコミュニティ形成に貢献しています。

■総長からの選定理由コメント
高齢化社会、人口減少という社会的課題を、多摩キャンパスの交通問題や、24時間キャンパス構想と連携して解決する可能性をもった試みである。学生たちは、グリーンヒル寺田という、高齢化が進むひとつの地域社会で、地域住民はじめ多様な人々と協働しながら、その社会を健全に持続させる方法を学ぶことになった。それは同時に、この団地が学生を受け入れ、やがて法政大学多摩キャンパスが持続することを可能にする動きにつながるはずだ。若者の生活と高齢者の生活、この二種の生活の持続可能性はどのようにすれば可能か。未来にとって、とても大事な「実験」が始まっている。

■受賞の感想
この度は第二回「自由を生き抜く実践知大賞」持続可能な未来賞をいただき大変嬉しく光栄に感じております。
各メンバーの努力だけではなく、住民の方々のご協力と、多摩地域交流センターの方々や先輩方のお力添えがあったからこそ、このような素晴らしい賞を受賞できたと思います。ご協力いただいた皆様に改めまして感謝申し上げます。
@団地・カフェ部では、大学の近くにあるグリーンヒル寺田団地で、地域活性化を目指してカフェや映画上映会、まち歩きなど様々な取り組みを行っております。
自分達でアイデアを出し、形にすることは、大変なことも多くありますが、毎回、幅広い世代の方と交流することができ、住民の方から「学生が来てくれて嬉しい」や「自分達でも企画したくなった」などと声をかけて頂けて、それが本当に嬉しく、やりがいになっています。
これからも先輩方が築いてくださったものを引き継ぎながら、共に協力しあい、地域を盛り上げていきたいと思います。

学生団体「@団地」 社会学部2年 小島 未来
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