日越大学での職員インターンシップ研修報告(2019年度)

人事部人事課 佐藤宏喜

  • 2019年9月17日 掲載
  • 取組み
  • コラム・エッセイ

私は、2019年8月5日~8月17日の期間で、ベトナムのハノイにある日越大学(Vietnam-Japan University)の教務部門におけるインターンシップ研修に参加しました。この研修は、法政大学の専任職員向けに2018年度から設置されており、2019年度で2年目を迎える海外研修です。毎年、専任職員1名が派遣されています。
日越大学は、ベトナム国家大学ハノイ校に属する7番目の大学として、2016年9月に設立され、日本・ベトナム両国の大学が連携を取りながら運営されている大学です。2019年9月現在、8つの修士課程があり、将来的には学士課程や博士課程の設置も予定されています。法政大学は、日越大学の協力校として位置づけられており、この研修を含め、職員同士の交流が行われています。

日越大学の学生たちと一緒に

研修への応募のきっかけ
法政大学は、スーパーグローバル大学創成支援に採択されて以降、大学の国際化を加速化させていますが、その取り組みの一環として、教職員の国際通用性の向上が求められています。私自身、大学の国際化に向けた事業には以前から強い関心を持っていましたが、留学経験もなく、また、外国人とのコミュニケーションの基礎となる語学力の不足を強く感じていました。

また、以前のキャリアセンターでの業務や、前職の人事部門における新卒採用や人材育成に関わる業務を通じて、学生たちが社会人になる上で求められる力やスキル、経験等について考える機会が増え、関心を持つようになりました。最近は、日本の企業でも、徹底した業務効率化に伴う人材の厳選や、グローバル化による採用形態の多様化、終身雇用や年功賃金制度の廃止等により、社会に求められる人材像が大きく変化してきていると言えます。さらに、学生たちは就職後も即戦力として活躍を期待され、国籍にとらわれない多様な価値観・背景をもつ同僚たちと切磋琢磨し、その中で激しい競争に勝ち残っていかなければなりません。そのような状況下で、法政大学がこの先どのような教育活動を展開し、学生たちを社会に送り出していくべきなのか、この研修に参加することにより、考えるきっかけとしたいと考え、この研修に応募しました。


研修の概要

この研修は2週間という短期間で行われたため、日越大学の教務部門で実際の就業体験をするというよりも、個人の研究テーマに沿って、日越大学の教職員や学生へのインタビュー、ハノイにある他大学の訪問等を行い、本学の取り組みと比較し、考察することに主眼が置かれています。日越大学には、日本人もおりますが、基本的にベトナム人スタッフが大学の運営を行っているため、特に実務レベルでの意見交換等を行うためには、ベトナム人スタッフと英語でコミュニケーションをとる必要があります。また、日越大学の学生たちは、必ずしも日本語能力が高いわけではない(日本語は日越大学入学後に学び始める学生が多い)ため、学生たちとも英語でコミュニケーションをとっていました。

今回、私は「日系企業への就職を希望する学生に対する支援内容や学生の現状を調査し、日越大学において有効な支援内容とは何かを考える」というテーマで、日越大学の教職員や学生へのインタビュー調査等を行いました。日越大学の学生たちの多くは、日本という国への関心を強く持っており、将来は日系企業への就職や、日本の大学への留学等を志しています。そのような学生たちに対し、大学がどのような教育や支援を行っているのかを調査し、法政大学における取組みと比較することで、日越大学の強み・弱みを考察できるのではないかと考えたのです。さらに、その考察を踏まえて、今後日越大学としてできることは何か、ということころまで考えることを目的としました。

また、研修期間中には、日越大学と法政大学が共同で実施した「SDGsフィールドスタディ」のプログラムの一部にも同行することができました。その中で、本学卒業生が勤務する日系企業の現地法人を訪問することができ、異文化で活躍する卒業生の皆様の姿に触れ、大いに刺激を受けることができました。


【主な研修スケジュール】

8月5日オリエンテーション
8月6日~9日

日越大学教職員へのインタビュー調査、
日本語教育科目における授業サポート

8月11日~12日日越大学・法政大学共催
「SDGsフィールドスタディ」プログラム同行
8月13日~15日学生へのインタビュー調査、
他大学(ハノイ法科大学・ハノイ大学日本語学部)訪問
8月16日日越大学職員へのプレゼンテーション


日越大学の職員に向けたプレゼンテーションの様子

研修で身についたことや気づき
今回の研修を通じて特に強く感じたこと、それは日越大学の学生たちの誠実さや学習意欲の高さ(勤勉さ)、そして教職員を含めた一体感です。また、学生たちには、日本人以上に日本について高い関心を持ち、日本文化を理解しようとする前向きな姿勢がありました。それに加え、日越大学には日本人スタッフや、少数ながら日本での就業経験のある学生がおり、距離的なハンデがありながらも、日本で生活することや就業することのイメージを比較的抱きやすい環境がありました。

一方で、学生たちが就職を希望する日系企業に関する情報は、まだまだ不足していると言えます。ある一人の学生は、日本の教育業界での就職を希望していましたが、そもそも外国人を採用している企業はあるのか、あるとすればそれはどんな企業なのか、などの情報収集に苦慮している様子でした。日越大学がまだ新しい大学ということもあり、日系企業側の認知度もこれから高まっていくことと思いますが、学生たちは、より多くの正しい情報をタイムリーにつかむことに苦労していると言えます。また、日系企業特有の仕事の進め方や上司との関係性など、実際の労働環境や、日常の生活スタイルのようなリアリティのある情報も彼らには必要でしょう。確かに、インターネットの普及により多くの情報に触れるという点では、ひと昔前に比べ容易になっているのかもしれませんが、正しい情報を選定するためには、やはり大学のスタッフや卒業生、企業の人事担当者の「生の声」も必要なのだと思います。すでに日越大学には、学生たちが日本に一定期間滞在し、大学や企業を訪問するインターンシッププログラムがありますが、それに加えて今後は、日越大学の卒業生たちと密に連携することで、日系企業の情報や労働環境等について積極的にシェアし、データを大学に蓄積していくことで、学生たちにとって有意義な情報を常に提供できるようになるのではないかと考えました。それは上述したような日越大学の強み(一体感や教職員・学生同士の面倒見の良さ等)があればこそ、より有効なものとなるはずです。

今回、距離的なハンデがありながらも、懸命に情報収集しながら日本での就職や留学を目指す日越大学の学生たちと直接コミュニケーションをとることができたことで、自身にとって強い励みとなっただけでなく、本学の学生たちにとっては、現代のグローバル化した社会で日越大学の学生たちのような人材と切磋琢磨し、競争に打ち勝っていかなければならない状況が今まさに迫りつつあることを強く実感することができました。今後は、この研修で培った経験を、本学の学生だけでなく、同僚である職員とも積極的に共有していきたいと考えています。

現地職員のみなさんとのランチ。ローカル感たっぷりです。

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