公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
総務局 人事部 人事制度課 北川 祥大さん
初出:広報誌『法政』2020年4月号
※2020年2月にインタビューをして作成した記事です
東京都庁からの出向で、東京2020オリンピック・パラリンピックの組織委員会のスタッフとして大会準備に当たっている北川祥大さん。大学祭の経験や読書で得た知識が、現在の仕事にとても役立っていると言います。
ここで得た経験を大会後に私たちスタッフが元の組織へ、ボランティアの方々が地域へと持ち帰り、日本全体にダイバーシティ&インクルージョンのマインドが醸成されれば、インフラやスタジアムと同様に、東京2020大会の「レガシー」となることでしょう。
東京2020オリンピック・パラリンピックマスコットのミライトワ(左)とソメイティ(右)が迎えるエントランスで
今の仕事は、安全衛生管理一つをとっても、職員の安全確保をはじめ、その先にいる競技会場や沿道の観客まで含めると数百万人という大勢の人の安全を考慮する必要があります。新型コロナウイルスへの対応もあり、その責任の大きさにふと不安を覚えることもあります。それでも、やっていけると思えるのは、大学時代の実行委員会で得たさまざまな経験があるからです。
大学祭の説明会の様子。壇上右が実行委員長の北川さん
これまでに約5000冊の本を読みました。人は一つの人生しか経験できませんが、小説を通じてならいくつもの人生を経験することができます。また、新書や学術書、専門書を読めば、断片的ではあっても、相当量の専門知識を得ることが可能です。内容をすべて頭に入れるのは無理でも、「あれに書いてある」と知っていれば、いつかどこかで役に立つものです。
最近、本で知った言葉の一つに「ブリコラージュ(寄せ集めて作る)」があります。これは、何かを作ると決めて必要な素材を集めるのではなく、自分が持ち合わせている物を組み合わせて新しいものを創造するという概念で、私が追究する知識と実践の融合に通じるものがあります。
組織委員会の仕事を通じて、「世界」というキーワードが私の人生に加わりました。大会後も、世界を意識して、文化や知識の普及・啓発に取り組んでいきたいと思います。
北川 祥大(Kitagawa Shodai)さん
1989年富山県生まれ。2013年3月に文学部日本文学科を卒業後、株式会社JTBパブリッシングに入社。その後、大学院人文科学研究科日本文学専攻修士課程を経て、一般社団法人 日本経営協会に入職。2019年4月東京都庁に入都後、公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に出向。